フランス人留学生のなぜ???『おもてなしとお膳立てについて』

おもてなしは、もてなすの丁寧語。日本人の特徴として、また日本人らしさとして紹介さることも多々ある。
お膳立ては、準備を整えたり、段取りを。事前に取っておくこと

では、根回しは?

フランスの彼女のなぜ?は私たちの家庭での日常会話となりつつあるのだが、
今回の『なぜ?』は、日本の母親の子育てついて及んだ。

彼女の日本での留学期間はトータルで1年間、三か月づつ違った家族と生活をするのだが、私の家が彼女にとっての最後のホストとなり、私が最後のホストマザーとなる。

彼女は、生活しながらそれぞれの家庭の特徴を感じ、フランスと日本の文化としての違いを前提として、家族ごとの違いも肌で感じながら新しい発見を楽しんでいるようだ。

その中で、親として子育てをするうえで、子供をいつまで子ども扱いをするか?という話におよんだ。

日本の場合は、母親が事前準備をしておくことが多いように感じている彼女。彼女はこの状況下においてとても居心地がよく、過ごしやすく感じたようだ。
先回りして準備してあるすべの事柄にとても感謝をしたともいっていた。

しかし、それが長く続くと自らの選択や決断することの妨げになるのではないだろうか?という事に議論は及んだ。

人の成長は、失敗の繰り返しによってもたらされることが多い。

【まつ!本当はすべてにおいて失敗はなくて、その行われたことによるフィードバックがあるだけなのだが、】

しかし、すべての段取りが整い、お膳立てされた毎日に身を置いてしまう事で、成功体験の逆である、
このやり方はまずいな!?
この考えではうまくいかないな?!
というケーススタディの場が、失われてしまうのではないかという懸念が出てくる。

『引継ぎ』という日本独特のものに対しても少しびっくりしていた彼女。

引継ぎを行う事で、前もって事前に情報を仕入れておき、相手に出会った時にある程度どうすることが大切か、また注意する点はどんなことか?を知ってお行くのが良いと考える私たち。

その一方で、事前の情報はあくまでその人の事実であって、真実であるのかはわからないともいえる。

人は誰でも、色眼鏡をかけて生きているわけだから、前任の方の考え方や価値観が入ったものを伝えることで、次の新しい出会いに色を付けてしまう可能性があるという事実。

物事の良い面には、必ず反対の側面があることを彼女の『なぜ?』に付き合うたびに気づかされる。

これらの事に正解があるわけではない。

賢い人間とは、これらの両方の視点を持ち得ながら、その時々に合った、最善の選択をし続ける事ではないだろうか?

ちなみに、彼女がうちに来て、お膳立ての弱い私との生活に
お弁当作り
制服のアイロンかけ
洋服の洗濯
などなど、ありとあらゆることを彼女自身で行っている。

私自身が手を出そうと思ったのだが、彼女は自分でできる事だから大丈夫と言った。あなたは忙しい人だからね。と声をかけてくれた。

これは、彼女が私という人間を知ったうえで、配慮し、うちの家庭に合わせてくれているのだと思う。まさにおもてなしではないか?!

お膳立ての弱い私は、彼女と過ごす期間、『おもてなし』の心だけは十二分に発揮したいと思いながら、彼女との生活を楽しんでいる。

この記事を書いた人

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喜稀今日子

3人の女の子の母親です。葬儀社の経営の仕事をしながら子育てと地域活動に参加しています。忙しといいながら、プライベートでの新しいことへのチャレンジは必須です。
新しい発見を発信していけたらいいです。
喜稀 今日子(きき きょうこ)

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